ビジネスとマーケティングの上り坂

ブログ形式でビジネスやWebマーケティングに関するノウハウや最新情報などをお届けします。

デジタル業界でよく使われる用語に「UX」というものがあります。

 

「UX」とは「ユーザーエクスペリエンス」の略。日本語では「顧客経験」や「顧客体験」などと訳されます。

 

用語の意味は、

 

「顧客が製品やサービスを利用、消費、所有する際に感じる有意義な経験や肯定的な感情、満足感などのすべてを含めたもの(総体)」

 

となります。

 

たとえば、ゲームで言えば3DやVR(バーチャルリアリティ)、スマートフォンやタブレットならば指で動かす操作などがUXを体現したものといえます。

どちらも、それ以前のものに比べ、新たな体験や満足感をユーザーに与えたことは間違いないですよね。

 

それでは、Webマーケティングにおいて、UX(ユーザーエクスペリエンス)を実現するためには、どのような手法があるでしょうか。

 

夜景
Webマーケティングにおけるユーザーエクスペリエンスとは

 

 

まず、古くは動画・音声など。これらは今では当たり前ですが、インターネット黎明期、カタログのような静的なWebサイトしかなかった時代には、動画や音声の登場は画期的でした。

もちろん現在でも、顧客の理解や満足を充分高めるように様々な使われ方がなされています。

 

2点目は古くて新しい、というよりは、永遠の課題である「分かりやすいメニュー体系やデザイン、操作性」です。

顧客は何らかの目的をもってWebサイトを訪問していますので、メニュー体系やデザイン、操作性がよくなければ目的を達しにくくなり、不満を感じることでしょう。

 

続いて3点目です。最近では一般のPC(デスクトップ/ノートブック)よりもスマートフォンで閲覧されるWebサイトが非常に多くなっています。

しかしながら、中小企業を中心に、まだまだPCの比較的大きな画面で閲覧することを前提とした企業Webサイトが多いのも実情です。

 

なかなかWebサイトの改善まで手が回らない…というのが本音かも知れませんが、特にBtoC企業(個人のお客様を相手にビジネスをする会社)にとっては、モバイル対応は欠かせないものになってきています。

 

最後に、そのようなスマートフォン、タブレットなどのモバイルの登場により、リアルとネットの垣根を超えた、新しいユーザーエクスペリエンスの実現も挙げられます。

 

現在、多くのユーザーにとって職場や家庭ではPC、外出先や移動中はスマートフォンやタブレットを使う、という行動様式が定着しています。

 

大手小売企業などは自社専用のアプリをユーザーに配布しています。ユーザーがアプリをインストールするスマートフォンやタブレットにはGPSが付いていますし、店舗の中に入れば、そのアプリと通信して、ユーザーのさらに細かい位置情報を把握することも可能です。

 

このような機能をうまく使い、店舗の近隣にいるユーザーにデジタルクーポン券を配布したり、店内では、ユーザーが見ている商品の解説動画をモバイル機器に配信する、といったこともできます。

 

まさに、リアルとネットの垣根を超えた、新しいユーザー体験と言えるでしょう。

 

ここまで、Webマーケティングのユーザーエクスペリエンスを実現する事例として

 

・新技術

・操作性(設計、デザイン)

・モバイル

・リアルとネットの融合

 

などをご紹介しましたが、この世界は日進月歩であると感じられたことでしょう。

 

 

 

中小企業のWebマーケティングのユーザーエクスペリエンスの本質はテキストである

 

とは言え、Webマーケティングにおけるユーザーエクスペリエンスは、一番古くからあるテキストにこそ、その本質があると私(西)は考えています。

 

特に体力の限られた中小企業においては、コストの発生する施策は踏み出しにくいものであり、それだけにテキスト最適化によるユーザーエクスペリエンスの実現は重要視すべきです。

 

実際に、先に挙げたような施策に頼らなくとも、成果を上げている中小企業はたくさんあります。そして、そのようなWebマーケティングで成功している企業やお店は、まちがいなく、次の2点を徹底的に表現しています。

 

・お客様に提供できる価値

・他社にはない、自社だけの強み

 

上記について1つずつコメントします。

 

「お客様に提供できる価値」とは、お客様の視点に変換すると、

 

「自分は、どのような状態になれるのか」

 

ということです。

これを具体的に、ありありと想像してもらうためには、動画や音声、写真やイラストなどを使うケースも多いでしょう。

 

しかし、テキスト=Webライティングがないと、お客様の心を揺さぶるところまでは到達できません。

 

たとえば、美しい写真だけのWebサイトを想像してみてください。息をのむような美しさだとします。

あなたは何かしらの感銘を受けるでしょう。しかし、それだけで会社やお店のメッセージが伝わるでしょうか。それは難しいでしょう。

 

動画・音声の場合も、会社やお店のメッセージの意味・内容を伝えるのはテキストであり、そのテキストを運ぶメディア(媒体)として動画・音声があるといえます。

 

また、「他社にはない、自社だけの強み」を、お客様の視点に変換すると、

 

「自分が、このお店(会社)の商品やサービスをなぜ選ぶのか、その理由」

 

となります。

 

「理由」ですから、きっちりと言葉で説明しなければなりません。

 

では、その理由=自社だけの強み、とは、どのようなものでしょうか?

 

私は、「自社だけの強み」を考える際、

 

「技術・ノウハウ」「実績・経験」「想い」

 

の3つに分解して考えるように、いつもコンサルティングや研修の場でお伝えしています。

 

特に今回は、「顧客体験の一部とも言える“共感”」を生みやすい「想い」についてご説明します。

 

Webマーケティングにおいて、Webサイトの本文・ブログ・SNSの投稿など、テキストを書くシーンは無数にあります。

 

これらすべてのテキストについて、

 

「あなたの想いと方向性を合致させた内容にする」

 

ということが重要です。

 

間違えないで欲しいのは、

 

「すべての記事や投稿に想いを書く」

 

という意味ではないことです。

 

実践してほしいことは、商品1つ説明するにしても、

 

「その商品が、あなたのこだわりから選んだ商品であること」

「お客様に、必ず喜んでもらえると信じている商品であること」

 

など、「想い」という上位概念があって、それと矛盾することは一切しない、という信念を持ってほしい、ということです。

 

すべてのテキストに「想い」そのものを書きこむことはできないでしょうし、もし実行したら、かなり暑苦しいものになるかも知れません。

 

しかし、自分がどういう理由で、その商品・サービスを提供しているのか、かならずどこかに書いておくべきですし、必要に応じて、そのページにリンクを貼るなど、顧客の目に触れるような工夫はすべきです。

 

このように、あなただけの想いやこだわりを全体戦略とし、その方向性に合ったテキストだけを丁寧に書き込んでいく。

 

Webマーケティングでは、あなたの代わりに説明してくれるのはテキストだけです。

「想い」という戦略に従い、多少冗舌なぐらい言葉を尽くさないと、相手には伝わりません。

 

「文字が多いと読みたくないよ」

 

という方がいるかも知れませんが、それは真剣ではないお客様です。

真剣なお客様ほど、一生懸命に読んでくれます。

 

そして、そこにブレないあなたの想いを感じたならば、お客様の本気度はますますアップすることでしょう。

 

これが、あなたのWebマーケティング全体に、あなたの世界観が出来上がった状態です。

 

デザインや操作性、新技術なども効果的ですが、まずは足元を固めることが大事です。

 

Webサイト、SNS、ブログ、メルマガなど、あなただけのブレない軸で構成された一連のメディアは、あなただけの世界観を作り出します。

 

企業規模の大小に関係なく、そうしてファンが増えていくことになるのです。

 

 

補足

 

と、ここまで書いてきましたが、もしかしたら、ユーザーエクスペリエンスに詳しい方からは、異論をいただくかも知れません。

 

それは、ユーザーエクスペリエンスはUI(ユーザーインタフェース)を拡張する概念として提唱された、という経緯に関係します。

 

ユーザーインタフェースとは、「コンピュータと人間が情報をやりとりする際の仕組み」のことです。たとえば、マウスやキーボード、アイコン、ディスプレイなどがユーザーインタフェースに含まれます。

 

このように、ユーザーインタフェースは、「メッセージを伝達するための手段」のことであり、そのユーザーインタフェースを拡張した概念である「ユーザーエクスペリエンス」と、メッセージの内容そのものである「テキスト」を同列に並べるのはおかしい、という異論があるかも知れません。

 

以上を理解したうえであえて言うとすれば、Webマーケティングを実践してユーザーに価値を届けたいと思っている企業の方も、その会社の情報を欲しいと思っている顧客も、「内容なのか手段なのか」という議論には興味はありません。

 

「どういう体験をして欲しい」

「どういう体験に感動した」

 

という目的と結果があるだけです。

 

もちろん、メッセージの意味内容と手段のような精緻な議論も楽しいと思いますが、マクルーハンやらソシュールやら登場して、仕事が手につかなくなる可能性もありますので、そのお話は別の機会にしたいと思います。