ビジネスとマーケティングの上り坂

ブログ形式でビジネスやWebマーケティングに関するノウハウや最新情報などをお届けします。

「BtoBは、BtoCとくらべて、Webマーケティングで結果を出すことは難しいですか」

 

という質問をされることがあります。

 

ここでいうBtoBとは、Business to Businessの略で「法人を顧客とする業種」のこと。

BtoCとは、Business to Consumerの略で、「一般個人(消費者)を顧客とする業種」のことです。

 

私の回答はいったん置いておき、どうして冒頭のような疑問を持たれるのでしょうか?

まず、そこから考えてみましょう。

 

BtoBのWebマーケティングは難しい?
BtoBのWebマーケティングは難しい?

 

 

BtoCのほうが、Webで集客しやすい?

 

具体的にイメージしやすいように、いくつかの業種を挙げてみます。

 

BtoCには、

 

・不動産店舗(賃貸・売買)

・英会話学校

・家具・インテリア店

・居酒屋

 

などがあります。

 

一方のBtoBは

 

・士業(税理士・社会保険労務士)

・システム開発会社

・金属加工会社

・食品卸会社

 

などがあります。

 

私が思いつくままに挙げた業種例ですので、根拠としては弱いですが、こうして見てみると、BtoCのほうがターゲットが広いような印象を受けます。

 

BtoCのほうは、どの業種も、Webサイトに不特定多数の方が集まった場合、老若男女、誰でも顧客になる可能性がありそうな気がします。

 

一方のBtoBはどうでしょうか?

税理士や社労士は、どの法人でも必要とするでしょうが、金属加工会社や食品卸会社と取引をしたいと考える法人は限られますよね。

金属部品を必要とする法人だったり、食品スーパーなど、顧客になりうる法人は一部に限られるでしょう。

 

システム開発会社の場合は、一見どんな法人でも顧客にできそうですが、ある程度以上の規模のシステム開発会社でないかぎり、その会社の得意分野は決まっていて、かなり顧客を選ばざるを得ないのが実情です。

 

以上のように俯瞰して見てみると、自社のWebサイトに不特定多数の集客を行った場合、BtoCのほうが「自社の見込み顧客になりそうな人が多く集まっている」から、売上につながりやすい、と考えているのかも知れません。

 

しかし、それは、あまりにも希望的過ぎる推測です。

確かに、英会話学校は老若男女問わず、誰でも顧客になる可能性があるでしょう。

しかし、「可能性がある」ことと、「実際に顧客になる」の間には、それはもう深い溝があるのです。

 

 

4,000PVのサイトに、50万PVのサイトが負けた話

 

以前、私がある士業の方をご支援していたときの話です。

その方は業種を問わない様々な企業の経営者や人事総務のご担当者の相談に乗る仕事をしていました。

あるとき、その士業の方が、

 

「50万PV/月のWebサイトに格安で広告を掲載してもらえそうなんだけど」

 

と相談をしてきました。

 

相談というより、もう彼のなかでは広告掲載をすることは決めていて、どうやら私に背中を押して欲しいだけだったようです。

 

しかし、残念ながら、私の答えは

 

「効果ないからやめた方がよいですよ」

 

という、つれないものでした。

しかし彼は納得しません。仕方がないので、私は強くは反対せずに、

 

「お勧めしませんが、どうしてもやりたいなら、ご自身の責任のもと実施してください」

 

と伝えました。正直なところ、金額はたいしたことなかったので、

 

「彼の勉強代になるなら」

 

とも考えていました。

 

ちなみに、その月間50万PVのWebサイトとは、エンターテイメント系のニュースを発信する情報メディアです。

月間50万PVというと、1日あたり平均1万5~6,000PVものアクセスがあることになります。

その士業の方は、その情報メディアに1ヶ月間、広告を掲載しました。

 

結果はというと、広告経由の問い合わせ1件、成約0件でした。

毎日1万5~6,000PV、ユーザーにして毎日1万人近くが訪問するWebサイトに掲載しても、この結果でした。

 

しかし、これは当然なのです。

この情報メディアを見に来るユーザーのマインドを想像してみてください。

 

「息抜きに、ちょっと面白いニュースでも見ようかな」

 

というマインドがほとんどのはずです。

サイトの規模は違いますが、yahoo!ニュースのエンタメ欄を閲覧するときのマインドに近いといえるでしょう。

 

そんななかで、「人事総務の相談に乗ります」と広告を出したところで、ユーザーのマインドにヒットするわけがありません。

 

リアルの世界に例えるならば、ライブ会場や映画館に、今まさに入場しようとしている人に、片っ端から人事総務の相談チラシを手渡ししているようなものです。

 

ターゲットを外しまくっているどころか、下手をすると、迷惑行為と思われちゃいます。

それは言い過ぎとしても、マイナスな印象すら持たれる可能性があるのです。

 

さらに、この話には後日談があります。

 

数か月後、私のプロデュースで、この士業の方のWebサイトを完成させました。

完成初月、SEOやリスティング広告などの成果もあり、月間4,000PVでした。

小さな個人事務所の初月のアクセス数としては悪くはありませんが、決して多くはない

のも事実です。

そして肝心のお問い合わせですが、初月は32件の問い合わせがありました。うち、3割以上が成約です。

 

いかがでしょうか。

リスティング広告やSEOで、その士業の業務に関して困っているユーザーばかり狙い撃ちして集客した結果がこれです。

ただ集めればよい、というものでは決してないことが、胸にストンと落ちたのではないでしょうか。

 

 

で、結局、BtoBとBtoCのWebマーケティングについては、どうなの?

 

話をもとに戻しますが、結論を言えば、

 

「BtoBだからWebマーケティングが難しい」

 

と言うことはありません。

BtoBにしろ、BtoCにしろ、その会社や商品・サービスの強みを引き出し、求めている方へ伝えることができれば、Webマーケティングの効果が出ます。

 

逆に、BtoBでもBtoCでも、独自の強みを打ち出しにくいものはWebマーケティングに向きません。

インターネットではすぐ比較することができるため、どこでも売っている日用品などは、一番価格が安いところ(=大企業)以外では、結果を出すことができないでしょう。

 

ただ、その場合でも、「何を売るか」の視点を変えるだけで、売上を作ることができる可能性も多々あります。

 

「お客様が、自社を選ぶ理由」を、きちんと考え抜くことが大切なのです。