「戦略的Webコンサルティング」(その1)
見込みの高いターゲットだけを集め、高い確率で
優良顧客・リピーターへと育てる仕組みを設計します
徹底的に「どターゲット」だけに絞る
弊社では、「もっとも理想的なお客様」「一番大切なお客様」となるターゲットのイメージを「どターゲット」と呼んでいます。そして、貴社の顧客イメージを徹底的に絞り込んで「どターゲット」を抽出し、「どターゲット」に近いユーザーに「自分のことだ」と思わせるような、エッジの効いたキャッチコピーや広告で、「どターゲット」に近いユーザーだけを集中して集めます。
この方式では、ターゲットから外れたユーザーは集まりにくいということで、単純に「アクセス数を増やす」という観点からはマイナスですが、 そもそも、ターゲットから外れたユーザーに自社のWebサイトに訪問されてもメリットはありません。「ターゲット以外は大胆に切り捨てる」という方策を行います。
また、「どターゲット」を徹底的に絞りこみ、彼らのマインドや行動様式を徹底的にイメージすることで、確実に彼らに響くキャッチコピーを作ったり、セールスライティングを行ったりすることもできます。
たとえば、前日の夜、接待で遅くまで痛飲し、朝、目が覚めたものの、なんとなく体が重いアラフォー世代のビジネスマンが、リビングで新聞を開いた際、
「朝起きた瞬間に『すでに疲れ果てている!』と愕然とした貴方へ」
とキャッチコピーが書かれたチラシが入っていたらどう思うでしょうか?まさに「自分のことだ!」と、チラシを真剣に眺める確率は非常に高くなるでしょう。
このように「どターゲット」を絞り込むことは、「貴社が探しているターゲット」をピンポイントに集めることにつながります。
さらに、現在、コストパフォーマンスがよいことで知られるWeb広告(リスティング広告、facebook広告)は、「1クリック当たりいくら」という、クリック課金型広告です。
これは、
「広告をクリックして貴社のWebサイトを閲覧したユーザーが発生する度に、広告料金が発生する」
という形式であり、これらの広告を、さらにコストパフォーマンスよく使いこなすためにも、「ターゲット以外の訪問は不要(さらには、訪問されては困る)」というスタンスで、ターゲットを絞り込んでいきます。
顧客との関係性別に5つの階層にグルーピングし、
それぞれの階層に最適な施策を行う
「どターゲット」に絞り込み、貴社の有望な見込み顧客のみをピンポイントに集めた後、彼らと信頼関係を深めていく上で必要なのは、「貴社と顧客との関係性」の状態別に顧客をグルーピングし、それぞれに対して最適な施策を仕掛けていくことです。そして、その施策により、関係性の低い状態から、関係性の高い状態へと、できるだけ多くの顧客に遷移してもらえるような仕組みを作ります。
顧客の分け方ですが、以下のような5つの階層に分けて考えると仕組みの作り方が理解しやすくなります。それぞれの階層について説明します。
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潜在顧客
あなたのことを全く知らない顧客(候補)です。特徴をひとことで言えば「無知・無関心」。世の中一般に知られている大企業でもない限り、あなたの会社について日本中の99.9%以上は知りません。ほとんどが潜在顧客である、といえます。
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弱い見込み顧客
Webやソーシャルメディア、あるいはリアルな出会いなど、何かしらのきっかけであなたの会社や商品のことを認知した状態です。まだ会社や商品について知らないことがほとんどであり、関心もほとんど持たれていない状態です。
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強い見込み顧客
あなたの会社や商品について知識を有しており、信頼関係が構築されている状態です。きっかけさえあれば、一般顧客へと遷移する一歩手前の状態です。
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一般顧客
あなたの商品・サービスを購入した状態です。
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ファン・リピーター・宣教師
あなたの商品・サービスを購入し、高い満足を感じてファンやリピーターとなった状態です。この状態の人は、自ら能動的に良いクチコミを周りの方に広めてくれます(宣教師)。
図のとおり、一番下層の潜在顧客がもっとも人数が多く、上の階層に移るにしたがって数は減少します。下の階層から上の階層に、すべての人が遷移することはあり得ません。どんなに良い会社・どんなに良い商品・サービスであっても、それを必要としない人もいるからです。どの階層においても、あなたのターゲットとなる顧客層を明確に意識し、具体的なターゲット像を明らかにしましょう。
「ターゲットを明確にすると、上の階層に遷移する顧客が減ってしまうのでは」 と思われるかもしれませんが、本来のターゲットと離れた人を無理やり狙おうとしても、より上位の一般顧客やファン・リピーターには成長しません。それよりも、本来ターゲットとしている顧客層に「自分のための商品・サービスなのだ」と、他人ゴトではなく自分ゴトとして感じてもらうことのほうがよほど重要です。
高い確率で上の階層へ遷移してもらうためのポイント
ターゲットとなる顧客に、下の階層から順番に上の階層に1つずつ、高い確率で上がってもらうためにはどうしたらいいでしょうか? 階層別に分解して考えてみましょう。
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「1.潜在顧客」から「2.弱い見込み顧客」へ
知らない人に認知してもらうだけですから、まだ信頼関係が生まれる前の状態です。Webで認知してもらうには、SEO(Googleなどの検索エンジンで、貴社のWebサイトを上位表示させる技術的な対策)やリスティング広告(検索エンジンの検索結果と連動して表示される広告)などの手段があります。
また、リアルで名刺交換をしたり、チラシを手に取ってもらったりして認知してもらうという方法もあります。
Webマーケティングであっても、リアルで使える部分はうまく使うことが必要です。 -
「2.弱い見込み顧客」から「3.強い見込み顧客」へ
全く信頼関係のない状態から関係を作っていきます。ユーザー数が多いので、リアルで対応するよりは、ITを主に使って効率的に信頼関係を作っていきましょう。
具体策としては、メルマガや動画セミナー、ソーシャルメディアなどを利用して、あなたの専門知識を提供していくことなどが挙げられます。特に、動画やソーシャルメディアなど、あなたやスタッフの顔写真がわかるものは、親近感がわきやすく、効果的です。
また、あなたの会社や商品の強みについても、売り込みではなく情報として提供していきます。 -
「3.強い見込み顧客」から「4.一般顧客」へ
更なる信頼関係の構築が必要なフェーズです。Webサイトだけで完結しないビジネスの場合、無料相談やセミナーなど、リアルな対応が効果的な場合が多いです。また、「返品保証」など顧客のリスクをなくす特典の提示など、購入の背中を押すことも必要です。
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「4.一般顧客」から「5.ファン・リピーター・宣教師」へ
購入後に高い満足を感じてもらうためには、商品・サービスの満足度もさることながら、アフターフォローが重要になります。
満足を感じても、飽きてしまうと顧客は離れてしまいます。商品・サービスにもよりますが、販売者と顧客のコミュニティを作ることにより、飽きさせずにロイヤリティー(忠誠心)を維持する方法がよく使われます。
以上のような形で、より多くのターゲット顧客にスムーズに上の階層に上がってもらうように仕組みを設計します。
全体として考えておくべきことは、「上の階層へいくほど人数が少なく、ロイヤリティの高い大切なお客様」であるということ。下の階層ほど、できるだけITを活用し、効率的に対応します。また、上の階層ほど、「個別対応」「厚いおもてなし」で顧客を大切に扱います。
「おもてなし」の本質は「ひと手間かける」こと。顧客は「わざわざ自分のために手間をかけてくれた」と感じることでロイヤリティーを高めます。そういった意味でも、「個別対応」「厚いおもてなし」は効果があるの です。
信頼関係を構築し、専門性の高さを評価させる方法
信頼を獲得するということは、相手の心の中に「あなたは信頼できる人だ」というイメージを持ってもらうことです。ビジネスにおいては、さらに「あなたは〇〇(あなたの業界)の分野の専門家だ」というイメージを持ってもらうことが必要です。
たとえば、ビジネス交流会で初めて会ったばかりの方に、そのようなイメージを持ってもらうにはどうしたらいいでしょうか?
決して行ってはいけないことは、「名刺交換したばかりの人に売り込みをかける」ことです。信頼関係ができる前にそんなことをすれば相手は逃げてしまいます。
しかし、あなたが「あなたのビジネス(業界)に関連する興味深い知識」 などをわかりやすく説明したりするとどうでしょうか?
決して売り込みでは無く、情報交換の形で話をすれば、興味を持ってくれる方も多いでしょう。あなたの話が面白かったり役に立ったりするほど、相手はあなたに惹きつけられます。また、相手はあなたのことを「その分野に詳しい人だ」 と思うでしょう。
つまり、「あなたの扱う業界・商品関連の知識」という同じような話をするにしても、売り込み要素があれば相手は離れていきますし、価値ある情報を提供するというスタンスを取れば、相手はあなたに近づいてくるのです。
このことは「返報性の法則」という心理法則でも説明できます。「返報性の法則」とは、「人は他人に何かをされると、その人に何かを返したくなる」という法則です。あなたに「価値ある情報を提供してもらった」と考える顧客は、あなたに何かを返したいと考えるようになります。
また、「ザイオンス効果」という心理法則もあります。こちらは「何度も接触している相手には親近感を持つようになる」という法則です。
つまり、会う回数を増やし、その度に価値ある情報を伝え続けていれば、相手はあなたに親近感を感じ、あなたのために何かをしたいと考えるようになります。
こうして信頼関係が次第に構築されていきます。
たとえば、あなたがダイエット用のサプリを探しているとします。ネットで色々検索すると、ダイエット用サプリを売っているサイトは山のようにあります。その多くが綺麗にデザインされたサイトであり、その効果の高さや「お客様の声」など、きちんと掲載されたサイトも多いでしょう。
そんななか、単なる売り込み情報だけでなく、
- カロリーを抑えながら も満足感のあるダイエットメニュー
- 生活の中で簡単にできる有酸素運動の例
など、ダイエットに関するさまざまな周辺情報が充実しているサイトがあればどうでしょうか? 最初はその店で買うつもりはなくとも、情報が頻繁に更新されていれば、毎日楽しみに閲覧するユーザーも増えていくでしょう。
そしていつしかそのサイトのファンになり、ユーザーは
- いつも色々な情報をもらっているから、ダイエットサプリを買うならこのサイトからにしよう
- ダイエットに関する情報が満載だから、このサイトのスタッフはダイエットにとても詳しいに違いない
などと考えるようになるはずです。
このように、Webマーケティングでは消費者の心理を変容させるために心理法則を利用することがあります。これら心理法則は強力に作用します から、くだらない商品・サービスでも売れてしまうことがあります。
しかし、そのような場合、必ず購買後に顧客に不満が残りますから、リピーターどころか悪い評判が広がる要因にしかなりません。
よって、心理法則は使いすぎに注意し、あくまで顧客に与える価値をメイン、心理法則はサブと考え、バランスよく施策を展開していきます。
「貴社の商品・サービスを選ばなければならない理由」を、効果的に伝えるためには?
あなたの気に入らない人物がどんなに正しいことを言っていても、感情的に受け入れがたい気分になったことはありませんか?一方、あなたが好感を持っている人物の発言であれば、特段すばらしいことでなくても、すんなり受け入れられるはずです。
このように、人間はある発言について「何を言ったか」より「誰が言ったか」を感情では重視するのです。
もちろん、信頼関係ができたからといって、あからさまな売り込みはいけません。あなたが価値ある情報を提供するときに、あなたの会社や商品のUSPについてもそっと言及します。USPとは「ユニーク・セリング・プロポジション」の略で、「他社にはない独自の強み」のことです。
あなたのビジネスに関する知識・ノウハウを顧客に提供するときに、
- あなたの会社の商品がライバル会社の商品とどう違うか
- あなたの会社の商品だけの強みはなにか
についても、売り込むのではなく、きちんと情報提供するのです。あなたと信頼関係が構築できている顧客は、そうした情報をすんなりと受け入れ、
- 〇〇の分野なら、××さん(あなた)が専門家だな
- 〇〇の商品を購入するときは、ぜひ××さんに依頼しよう
と思うようになります。
たとえば先ほどのダイエットサプリの例であれば、常に有益な情報を提供することにより、顧客の信頼を獲得することはできるでしょう。しかし、そのサイトで販売するサプリを顧客に購入してもらうには、
- そのサプリは、他の競合と比べてどのような独自性があり、どのような強みがあるのか
といった、サプリのUSPをしっかりと伝えることが必要です。
「決して損はしたくない」「賢い買い物をしたい」と思っている顧客は、残念ながら信頼関係だけで購入を決めることはありません。しかし、先にも書いたとおり、信頼関係にある人のいうことは素直に聞いてくれます。声高にならない程度に、しっかりと自分の商品のUSPを伝えることが必要です。
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