ビジネスとマーケティングの上り坂
ブログ形式でビジネスやWebマーケティングに関する
ノウハウや最新情報などをお届けします。
こんにちは、西です。
セミナーなどで受講生の方から
「Webの分析って難しそう」
「Web分析は何をすればよいのか分からない」
と言った質問をよく受けます。
確かに、Web分析で利用するGoogleアナリティクスは機能がたくさんあり、取っつきにくい感じがするかも知れません。また、Web分析という言葉にも難しそうなイメージがあるのでしょう。
しかし、大企業などの運営している大規模サイトは別として、一般の中小企業が運営しているWebサイトなどは、細かい分析に入り込むのではなく、まずは全体像を抑えて、ポイントを絞った分析をすることが大事、というのが私の考えです。
そして、ポイントを絞ったWeb分析を成功させるためには
・目標
・KPI
・仮説
の3つを、きちんと設定することが大切です。
Web分析では 目標、KPI、仮説 を設計する
Web分析の設計(その1): 目標
Webサイトにおける最終的な目標は、多くはビジネス上の目的、つまり売上を上げることだと思います。
ただし、Webサイト上での目標は、企業のビジネス形態やWebサイトの類型によって異なることでしょう。たとえば、
・オンラインショップの目標は「売上金額」
・BtoB企業のWebサイトの目標は「資料請求やお問い合わせの獲得」
・店舗ビジネスのWebサイトの目標は「予約の獲得や集客の向上」
・自治体のWebサイトの目標は「閲覧者の満足度向上や電話での問い合わせ削減」
などが考えられます。
続いて、これらの定性的な目標に対し、数値をきちんと設定することが必要です。たとえば、
・売上を昨年同期比1.2倍
・資料請求を30件獲得
などです。これらの数値目標を、どの期間で(いつまでに)達成するかを決めることで、計測可能な目標となります。
Web分析の設計(その2): KPI
KPIとは Key Performance Indicator の略で、「重要業績評価指標」と訳されます。
たとえば、資料請求獲得数が前月20件、今月目標30件だとします。前月より10件の上積みが必要であり、具体的に、どのような手段で上積みするのか、という具体策(+数値目標)がKPIとなります。
この場合、
・SEOを強化して自然検索流入を1.5倍にする
・広告費を増やしてリスティングからの流入を1.5倍にする
・メルマガのキャンペーンを実施する
などのKPIが考えられます。
1つのKPIだけでは目標を達成できないと考えられる場合は、複数のKPIを設定します。それぞれのKPIの目標を達成することにより、Webサイトの目標である資料請求30件獲得を達成する計画を立てます。
なお、企業のリソース(人員、予算)は限りがありますので、優先順位をつけて、必要十分なKPIを選ぶことが重要です。
KPIの優先順位は
・そのKPIは取り組みやすいか?
・そのKPIの数値目標を達成できそうか?
・そのKPIが達成できた場合、効果は大きいか?
以上のような「取り組み難易度」「達成難易度」「改善効果」の観点から決定します。
Web分析の設計(その3): 仮説
KPIの策定にあたっては、仮説を立てることが大切です。
先ほどと同じ以下の例で考えてみましょう。
・先月の資料請求獲得数が20件、今月の目標が30件
この場合、目標と現状の差=10件が「解決するべき問題」となります。
そして、問題解決のポイントがどこにあるのか、仮説を立てます。
たとえば、
・新規より再訪問者の方が、資料請求の確率が高いのではないか
(→再訪問者を増やせばよいのではないか)
・広告から流入してきたユーザーより、メルマガから流入してきたユーザーの方が、資料請求の確率が高いのではないか
(→メルマガ読者を増やせばよいのではないか)
・特集コンテンツを閲覧したユーザーのほうが、閲覧していないユーザーより、資料請求の確率が高いのではないか
(→特集コンテンツの誘導バナーを、サイトの目立つ位置に掲載したほうがよいのではないんか)
などが仮説にあたります。
このような仮説を立てると、有効なKPIの施策や優先順位が明らかになります。
もちろん、仮説を立てたあとに、Googleアナリティクスなどの分析ツールで実績データ(現実)をチェックし、仮説の正否を確認します。
仮説に修正すべき点があれば、それをKPIにも反映させます。
あとは、KPIを達成すべく業務を遂行し、定期的に分析ツールを確認することで、KPIの達成度合いが分かります。
いかがでしょうか?
目標・KPI・仮説をしっかり検討できるようになると、Googleアナリティクスなどの分析ツールを確認する時間は、グッと減るようになります。
・「仮説を立てる」→「現状を確認する」→「仮説が間違っていれば修正し、施策を実施する」→「改善度合いを確認する」→「新たな仮設を立てて、必要な調整を行ったうえで再度施策を実施する」
といった流れで、PDCAを回せるようになります。
Web分析の【目標設定編】は以上となります。もし、あなたが自分のビジネスに目標・KPI・仮説の考え方を取り入れてないようであれば、ぜひ検討してみてください。
Googleアナリティクスの具体的な分析方法については、以下の記事をご覧ください。
<参考記事>
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