ビジネスとマーケティングの上り坂
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こんにちは、西です。
以前、私がITが苦手な社長さんのところにWebコンサルで入った時の話です。
西「御社のペルソナは?」
社長「ペルソ・・・? なんだ、日本人なんだから日本語使え!」
西「あ、はい・・・それでは、どターゲットは?」
社長「どターゲット?、あ、超理想的な人ってこと?」
西「そうですそうです」
社長「ん・・・スナックレミのリナちゃんかな(と、ニヤケ顔)」
西「・・・社長、今、御社のお客様のお話をしていまして・・・」
社長「あ、そうだった!・・・じゃあ、超理想的なお客様ってこと?」
西「そうです」
というようなやりとりがあり、まぁ、どう考えても、相手に通じる言葉で説明できなかった私が悪かった・・・
ということで、最近では「ペルソナ」と「どターゲット」という言葉を使い分けるようにしています。
ところで、マーケティングにはペルソナが必要、とよく言われるのですが、そもそも、
・ペルソナとは何か?
・なぜペルソナが必要なのか?
ということを、あなたはご存知でしょうか?
すっきり理解できるように、以下にまとめてみましたので、ぜひ読んでみてください。
ペルソナとは何か?
上記の社長との会話の中で「ペルソナ=どターゲット=超理想的なお客様」と説明しました。
あなたの会社の常連さんで、
「この人に商品やサービスを買ってもらえると、本当に嬉しい! この仕事をやっていてよかった!」
と思える人がいるのならば、その人をペルソナに設定しても大丈夫ですし、もし居なければ
「こんなお客様がいたら自社の商品にとってベストなんだけどなぁ / 理想なんだけどなぁ」
という架空のユーザーモデルを設定しても大丈夫です。
※という説明をしたら、先日、ある方が
「じゃあ、うちのペルソナは、駄目な商品を高い金額で買ってくれて、文句を言わない人」
と言っていましたが、そんなリアリティのない妄想のようなペルソナは駄目ですよ。
あくまで、実際に居そうなリアリティのある方で、あなたの商品やサービスにベストマッチする人を想定してくださいね。
さて、お話を戻して、架空のユーザーモデルの件ですが、
40代男性
なんてアバウトなものではなく、徹底的にターゲットを絞り込みます。
具体的には、以下のような内容を洗い出します。
<統計的情報>
・名前
・性別
・年齢
・住所
・家族構成
・出身地
:職業
<ライフスタイル、心理的背景>
・性格
・教育レベル
・趣味嗜好
・関心のあるキーワード
・情報収集の方法
・消費や購買の傾向
あなたの会社がBtoC(消費者向けのビジネス)であれば上記の項目でよいですが、BtoB(法人向けのビジネス)の場合、上記項目に加え、企業内の役職や役割なども必要です。
項目が洗い出せたら、最後は顔写真を用意して、あたかも現実の人物かのようにイメージできるようにします。
まるで、小説の登場人物を設定するかのように、具体的なキャラクターを作り上げてください。
この作業は一人で行うよりも、チームでリラックスしながら色々と発想したほうが、いきいきとしたユーザーモデルが出来上がります。
このように、とことん絞り込んだ、名前や顔・普段の生活まで想像できる「理想のお客様像」が、ペルソナとなります。
なぜペルソナが必要なのか?
詳細に設定され、あたかも現実の人物のようにいきいきとイメージされたペルソナは、あなたの会社の理想的な顧客であり、あなたの知りたいことに、なんでも答えてくれる存在となります。
たとえば、
「このペルソナは、どこで自社の商品やサービスを認知するのだろう」
「自社の商品・サービスのどこを気に入って、買ってくれるのだろう」
という、なかなか知ることができない疑問についても、設定したペルソナの感情や気持ちをイメージすることにより、答えがイメージできるようになります。
小説やマンガの登場人物などがイキイキと描かれていると、いつの間にか、彼らの考えや心情に共感してしまうのと同じです。
このように、精緻に設定されたペルソナに対しては、あなたは深い洞察をしたり、共感したりすることができるようになるのです。
ペルソナの設定にあたって、ただ項目を並べるだけでなく、名前や顔写真も用意して人物像をイメージしやすくすることで、この深い洞察や共感を得やすくなります。
左脳的思考に加え、右脳的思考も利用できる、といったところでしょうか。
また、チームでペルソナを共有することにより、メンバー全体でターゲットのイメージがブレずに共有できる、というメリットもあります。
その結果、Webマーケティングのコンセプトや提供するコンテンツにも、ブレがなくなります。
「最大公約数的な顧客」を想定して、頭の中で「ターゲットには、どんな言葉が響くかなぁ」なんて考えていても、借り物の言葉しか出てきません。
それよりは、特定のターゲットを絞り込み、「どうすればその人が喜んでくれるのか」をイメージすれば、当然、そのターゲットに届く言葉になりますし、そうした「生きた言葉」の方が、他のターゲットの心にも刺さるでしょう。
頭だけで考えようとすると、労多くして得るものは小さくなります。ペルソナの設定は、人間の偉大な脳を効率的に使うための1つのアイデアなのかも知れません。
顧客に「自分ゴト」と思ってもらう
さて、ここからは顧客の視点で考えてみましょう。
ペルソナを研究して構築したマーケティング戦略は、ペルソナに近いユーザーにとっては、
「この商品は、まさに自分のための商品だ」
と感じられ、「自分ゴト」として受け入れられるでしょう。
逆の言い方をすれば、ペルソナの設定とは離れたユーザーにとっては「他人ゴト」であり、心に刺さることはありません。
いや、それどころか、ペルソナから離れたユーザーの視界にも入らないかも知れません。
これは冗談ではありません。
その証拠に、あなたは昨日1日、どのような売り込み情報を目にしたか、覚えていますか?
私たちは、毎日、朝起きてから夜眠る前の間、何百何千という売り込み情報のシャワーを浴びています。
朝起きて新聞を読めば多くの広告が掲載されており、テレビをつければCMが流れています。
通勤途上には多くの看板が並び、通勤電車の車内には中吊り広告が多数。スマホでニュースチェックすると、また広告が表示されます。
このように毎日毎日、無数の広告を見ながらも、あなたは何一つ覚えていないのではないでしょうか?
これは一説には、無意識が、あなたの脳をガードしている、とも言われています。
視界に様々な情報が入っても、すべての情報が脳内の意識の中に上がらないよう、無意識が不要な情報をカットしている、という説です。
この説によると、人間の意識には一度に処理できる情報量に限りがあるため、パンクしてしまわないように、無意識は不要な情報をカットしているそうです。
そして、情報をカットするかどうかの判断は、その情報が
「自分にとって関係のある情報であるかどうか」
ということ。
つまり、自分には関係ない「他人ゴト」であるならば、意識の中に現れることすらないのです。
そう考えると、他のユーザーを切り捨ててでも、ターゲットを適切に絞り、本当に届けたいユーザーに「自分ゴト」と思ってもらうことの大切さが、わかるのではないでしょうか。
■まとめ
ペルソナとは、理想の顧客像を、いきいきとイメージできるほど具体的に洗い出したものであり、あたかも小説のキャラクターのように、特定個人のレベルまで絞り込んだペルソナを設定することにより、ターゲットユーザーに対する深い洞察や共感をすることができます。
そうして作り上げたマーケティングメッセージは、ターゲットにとって「自分ゴト」と受け入れられるものになります。
そして、このマーケティング情報に溢れた現代社会においては、ユーザーは「自分ゴト」と思えるものしか認知してくれないのです。
以上、ペルソナの設定や「自分ゴト」と思わせるメッセージの重要性がおわかりいただけたのではないでしょうか。
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