ビジネスとマーケティングの上り坂
ブログ形式でビジネスやWebマーケティングに関する
ノウハウや最新情報などをお届けします。
Webマーケティング 業種別ポイント | アイウェア(メガネ、コンタクト)販売店のWebマーケティング
こんにちは、西です。
私は、この2月~3月にかけて、某アイウェアメーカー様主催の、メガネ・コンタクト販売店舗様向け「Web・SNS活用強化セミナー」の講師として、北海道から福岡まで、全国5拠点でお話しさせて頂く予定です。
昨日2/22は、福岡でお話をさせて頂きました。
東京・羽田から空路で福岡空港へ飛び、そこから地下鉄でJR博多駅はわずか2駅。
博多駅ビルにある会議室でのセミナーでしたので、博多到着後、一歩も表に出ることなく会場入り。
セミナーが終わった後も、航空機の時間の関係で地下鉄へ直行~博多空港へと、美味しいものを食べるどころか、博多の地上の空気を吸う時間もなく、ちょっと残念でした ><
まぁ、美味しいものは次回訪問時のお楽しみ! ということにします・・・
さて、今回の一連のセミナーの講師をお受けするにあたり、私なりにアイウェア業界におけるWebマーケティングのあり方について、いろいろと考えてみました。
その中には、他業種の方にもご参考になることが多々あると思いましたので、今回は、そのことについて言及したいと思います。
1.「お客様に提供する本当の価値」を提示しよう
今回のセミナー内容を考えるにあたり、JINSやZOFF、眼鏡市場といった大手チェーンから各地区にある個別店舗まで、様々な規模のアイウェア販売店舗のWebサイトやソーシャルメディアを確認しました。
大手はもちろん、個別店舗においても、Webマーケティングに力を入れているところは多くありました。
ただ、商品説明については、大手も含め、どこのサイトも「ブランド別にメガネフレームの写真を並べている」ということに終始していました。
もちろん、メガネ屋さんなのですから、メガネフレームの写真を掲載することは大原則です。
ただ、それだけだと他店舗のWebサイトと、何の差別化もできません(実際、どこのサイトも同じような印象を受けました)。
しかし、メガネやコンタクトといったアイウェアを販売して、お客様が本当に手に入れたい価値は、メガネフレームという物理的な商品なのでしょうか。
そうではなく、顧客が本当に手に入れたい価値は、以下のようなものではないでしょうか。
・高齢者であれば、「安心して生活できること」「アクティブに活動できること」「読書や映画鑑賞など、趣味を楽しめること」など
・一流のビジネスマンであれば「知的そうに見えるセルフイメージ」
・若者層であれば「お洒落な自分」「個性を表現できている自分」
・中高生であれば「受験や部活などを、思いきり集中できること」
アイウェア販売店のWebサイトを閲覧したターゲットが、上記のような価値を手に入れられると感じられるページやコンテンツが、ほとんどのサイトでは掲載されていませんでした。
たとえば、化粧品販売店のWebサイトでは、化粧品のビンやパッケージの写真以外にも、様々なイメージ写真やコンテンツを掲載しているはずです。
そういったものをぜひ参考にして欲しいと思います。
2.お店の強みを訴求するコンテンツを
「他のお店にはない、そのお店だけの強み」を、しっかり記載することも重要です。
「そのお店だけの強み」とは、顧客の目線に変換すると「そのお店を選ばなければならない理由」となります。
このように私が説明すると、小さなお店の店長さんの多くは、
「いやいや、うちの店だけの強みって、そんなものがあったら苦労しませんよ」
といいます。
しかし、そんなことはありません。
具体的な強みの見つけ方は、下記記事の「成果が上がらない理由5」をご覧ください。
【Web集客】あなたのWeb集客の成果が上がらない12の理由
また、強みはできるだけ「数字で表現する」ことが大切です。
たとえば、転職してきたばかりの新人のスタッフでも、前職が接客業であれば、
「接客業経験10年以上! 当店のホスピタリティNO.1リーダーです」
などと訴求できますよね。
その他、後述する「お客様に役立つ、専門家ならではのコンテンツ」を充実させることも、お客様から「この店はプロフェッショナルな店だ」と一目置かれることになり、お店の強みとなります。
ぜひ、お店の強みを訴求するコンテンツを意識的に作り込んでください。
3.スタッフや店内の紹介を充実させる
入ったことのない店舗に初めて入店することは、お客様にとって勇気が必要です。
しかし、あらかじめ、店舗のスタッフの人柄や店内の様子がイメージできていれば、初めての入店に対する心理的ハードルが低くなります。
さらにスタッフ紹介だけでなく、メガネに対するQ&Aコーナーなどをスタッフが顔出し・名前出しで執筆すれば、そのスタッフに対して専門家としてのイメージや信頼感が向上します。
ブログを定期的にスタッフが執筆すれば、親近感を持ってもらうことにもつながります。
いずれも、「入りやすいお店」と思ってもらうことにプラスなのは間違いありません。
4.ソーシャルメディアは、お店のターゲット層に合わせたものをメインに活用する
ソーシャルメディアと一口に言っても、Facebook、twitter、LINE、Instagramなど、多々ありますが、
特にリソース(経営資源)の限られた一般の小売店舗の場合、どのソーシャルメディアに注力するのか、そのメリハリが大切です。
アイウェア販売店の場合、多くの店舗が高齢者、あるいは、初めて遠近両用を購入する40~50代をターゲットにしています。
そのため、数あるソーシャルメディアのなかでも、年長者の利用率が高いFacebookが第一候補となるでしょう。
もともと、Facebookは実名制のため炎上騒ぎも起きにくく、また、現実世界でつながっている人間関係がベースになっていることも多いため、お店のブランディング目的で利用するには向いています。
ただ、私は大企業と中小企業では、Facebookの最適な使い方はまったく異なる、と考えています。
ご存知の方も多いと思いますが、Facebookには、個人が登録する個人アカウントと、企業が登録するFacebookページの2種類のアカウントがあります。
Facebookページは企業の公式ページであり、大企業をはじめとした広告予算を使える企業は、Facebookページの利用がおすすめです。
一方、中小企業や販売店など、社長やスタッフが会社やお店の存在そのものである場合には、広告費を使わずとも、個人アカウントで、個人として顧客とつながることで、ブランディングが可能です。
重要なのは、Facebookページにしても個人アカウントにしても、営業色の強い広告や宣伝を流すのではなく、顧客に喜んでもらえる、アイウェアの専門家としての有益な情報を流すことです。
日々、顧客のことだけを考え、顧客に喜んでもらえる情報を地道に作り、提供しつづける先に、結果としてブランディングがついてくる、と考えるべきでしょう。
以上、ここまでFacebook中心で記述しましたが、
アイウェア店舗の中には、使い捨てコンタクトレンズを定期注文する中高生を多く顧客として抱えているお店などもあります。
そういった店舗では、LINE@(店舗用LINE)を利用して、中高生と繋がるという使い方もあります。
また、若い女性をターゲットとしているスタイリッシュな店舗の場合、若い女性に絶大な人気を誇るInstagramを利用するという手もあります。
ただし、Instagramの場合、メガネのフレームの写真ばかりアップしても、ターゲット層に見向きもされないでしょう。
若い女性層は、ファッションやグルメ、インテリアなどに関する画像を楽しむために、写真特化型のソーシャルメディアであるInstagramを利用しています。
Instagramで、そのようなターゲットに共感してもらうためには、たとえば、
「このようなファッションには、このフレームが合う」
などの提案ができる画像を用意することが必要で、ハードルは決して低くありません。
しかし、その分、継続できれば、大きな差別化になるでしょう。
5.アイウェア販売店舗は、どのようなコンテンツを提供すべきか
アイウェア業界のWebサイトを見てまわって、デザインがよかったり、レイアウトが分かりやすかったりするサイトは多くありました。
ただし、本格的なコンテンツマーケティングを継続的に実施しているサイトは、大手を含め、ほとんど存在しない印象です。
それでは、どのようなコンテンツを提供していけばよいのか。
以下、私が1つの例として、各地のセミナーでお伝えしているコンテンツ案です。
・メガネを長持ちさせる手入れの方法
・目をよくする方法、癒す方法
・近隣地域で、見晴らしのよい、お出かけに最適なスポット(高齢者向け)
・メガネに合うファッション(女性)
・メガネに合わせたビジネスツールご紹介(ビジネスマン)
・勉強中の目の休め方、気分転換の方法(中高生)
・お店のこだわりのサービス(フレーム交換、セル磨きなど)を画像入りで説明
これらを単発ではなく、継続的に発信を続けていけば、専門性の高さを評価され、信頼されるアイウェア店舗となることでしょう。
最後に、今回のセミナーで受けたご質問を、1つ紹介します。
「役立つ情報を継続して提供することの大切さはよくわかりました。でも、すぐにネタ切れしそうですが、どうしたらよいのでしょうか」
これに対し、私は次のとおり答えました。
「Yahoo! 知恵袋において、私が『メガネ』で検索すると、なんと過去に20万件のQ&Aが蓄積されていました。
しかし、Yahoo!知恵袋で回答しているのは、どこの誰だか分からない人ばかりです。おそらく大半はメガネの専門家ではないでしょう。なかには、
『メガネが曇る場所に行ったら、どうすればよいのか』
という質問に対し、
『卵の白身でも塗っとけ』
という回答もありました。
ユーザーには色々と聞きたいことがあるのに、誰だか分からない人の適当な回答では、まったく解決になりません。
みなさんのお店のWebやSNS上で、みなさんの専門知識でしっかり回答してあげることこそ、お客様に喜ばれることになるのではないでしょうか」
ぜひ、一店舗でも多く、お客様に好かれるコンテンツの提供を始めて欲しいものです。
毎日地道な作業は大変ですが、だからこそ、参入障壁があり、差別化できます。
日々のコンテンツづくり=お客様との信頼関係づくりなのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回はアイウェア販売店舗に対するアドバイスですが、他業種の方にも参考になることが多いと思います。
WebやSNSは直接的なコストを発生させずに利用できるコミュニケーションツールですが、その分、頭と手を動かすことが必要です。
ぜひ、他業種の方も参考にして頂き、トライして頂ければと思います。
【PR】
カテゴリー
アーカイブ