ビジネスとマーケティングの上り坂
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コンテンツマーケティング | 中小企業のコンテンツマーケティングの始め方
こんにちは、西です。
コンテンツマーケティングという言葉は、2014年頃から、我が国でもよく使われるようになりました。
現在では、大企業だけでなく、多くの中小企業もコンテンツマーケティングに取り組んでいます。
一方で、コンテンツマーケティングという言葉は気になるものの、今ひとつ、どのようなものであるのか良くわからない、という方も、中小企業の方を中心に多くいらっしゃるようです。
今回は、そんな中小企業の方(個人の方含む)に向けて、
「小さく始めて、大きな成果を出すコンテンツマーケティングの実践方法」
についてご説明します。

コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングとは、
「適切で価値のある一連の情報群を、お客様の購買プロセスのそれぞれのシーンにおいて、最適な形で提供することにより、企業や商品・サービスに対するお客様の信頼を高め、ひいては、購買・リピートをして頂けるための総合的な戦略」
です。ちょっと堅い説明なので、少し補足します。
まず、お客様は「何かしらの問題を解決したい」と考えた際に、以下の4つのプロセスに沿って商品・サービスの購入に至ります。
認知→情報収集→比較検討→購入
それぞれのプロセスにおいて、お客様自身が必要と考えるコンテンツを提供することができれば、お客様に喜ばれて信頼されますし、また、適切な形で商品・サービスの購入・リピートまで導くことができるでしょう。
これが、コンテンツマーケティングの基本的な考え方です。
なぜ今、コンテンツマーケティングなのか?
「お客様に価値あるコンテンツをお渡しして、ファンになってもらおう」
そんな考え方は、昔からありました。
特段、新しいものではありません。
それでは、なぜ今、コンテンツマーケティングという考え方が注目されているのでしょうか。
それには、以下2つの理由があります。
1.お客様は、毎日毎日、売込情報をシャワーのように浴びせられており、飽き飽きしている
お客様は、毎日朝から晩まで、テレビや新聞・雑誌、スマートフォンのニュース、
電車の中吊り広告など、無数の売り込み情報をシャワーのように浴び続けています。
当然、そのような情報に飽き飽きしていますし、何か必要な商品・サービスなどがあっても、広告などの売り込み情報から選ぶのではなく、自分で選びたい、と考えています。
その結果、売り込み情報を配信しても、以前ほど効果が上がらなくなってきました。
2.欲しい情報はPCやスマートフォン(スマホ)の検索で探すことが当たり前の時代になった
ニールセンデジタル株式会社の調査(*1)によると、我が国における新商品情報の入手経路の第1位はインターネット検索(68%)であり、第2位の店頭(67%)、第3位のテレビCM(50%)を上回っているそうです(複数回答)。
このように、多くの消費者が、新商品・サービスの情報を検索エンジンから入手しています。
また、検索エンジン大手のGoogle社は、
「ユーザーに有益かつ、オリジナリティの高いコンテンツを検索結果の上位に表示する」
という姿勢を鮮明にしています。
わが国では、検索エンジンと言えば、Yahoo!とGoogleで90%以上のシェアを誇りますが、実際のところYahoo!は、Googleの検索エンジンプログラムを使っており、事実上、我が国で検索エンジン対策をするといえば、Googleへの対策のことと言える状況になっています。
以上のような理由から、ユーザーに有益かつオリジナルなコンテンツをインターネット上に提供することにより、検索エンジンを通じて、ユーザーに効果的なアプローチができるようになるのです。
*)Nielsen Global New Product Innovation Survey, Q1 2015
それぞれの購買プロセスでは、どのようなコンテンツを用意すればよいか
先に、ユーザーは以下のプロセスで購入に至ることを説明しました。
認知→情報収集→比較検討→購入
それぞれのプロセスで、どのようなコンテンツが最適だと思いますか?
あなたが、「フケ取りシャンプー」を販売しているとして、順に考えていきましょう。
- 認知プロセス
この段階では、ユーザーはまだ、あなたが販売している「フケ取りシャンプー」の存在を知りません。
そこで、ビジネスブログ(会社ブログ、商品ブログ)に
「フケを抑える洗髪の方法」
「フケを減らすための食事メニュー」
など、ユーザーが問題解決のために検索しそうな有益な情報を記事として書きましょう。
検索エンジンからブログに訪問したユーザーは記事を読んで満足するとともに、あなたのWebサイトや商品についても認知することになります。
このとき、検索エンジンで検索されやすいように、検索キーワードをブログのタイトルや本文に記述することを忘れないでください。
効果的な検索キーワードの見つけ方については、以下の記事を参考にしてください。
・検索キーワードの選び方 | 成果の上がる検索キーワードを探す方法
・検索キーワードの候補を探すための無料ツール 8選 【随時更新】
- 情報収集プロセス
洗髪、食事以外にもフケを抑えるために効果的な方法を、ユーザーにお伝えします。
情報量も多くなると思いますので、PDF小冊子(EBOOK)のダウンロードやメールマガジンの形式が最適でしょう。
PDF小冊子ダウンロード時やメールマガジン登録時には、ユーザーにメールアドレスを入力してもらい、今後の情報提供に使います(その旨、ユーザーから承諾を頂くことが必要です)。
PDF小冊子やメールマガジンのコンテンツの中に書いてある、フケを抑える効果的な方法の一つとして、あなたが販売しているフケ取りシャンプーについても、きちんと言及します。
これでユーザーは、フケ取りシャンプーという問題解決手法について、適切に理解することになります。
- 比較検討プロセス
ここでは、他の手段とフケ取りシャンプーの比較、さらには、競合各社のフケ取りシャンプーとの比較について、ユーザーに情報提供します。
PDFをダウンロードしてもらったり、メルマガでPDFのURLを添付するなどがよいでしょう。
気を付けるべきは、あなたの商品のPRに終始するのではなく、あくまで客観的に、それぞれの商品の長所・短所をきちんと比較すること。
ユーザーは、あなたが「自社の商品を恣意的に良く見せようとしてる」と思った瞬間に、あなたから離れていきます。
客観的なコンテンツ作りに徹しましょう。
- 購入プロセス
このプロセスでは、利用シーンをイメージできるものや、ユーザーの購入の背中を押すコンテンツなどが適しています。
・具体的には、Webサイト上に、実際のシャンプーを使った効果的な洗い方を動画で見せるコンテンツを配置する
・メルマガで今だけ使える割引クーポンを添付する
などになります。
以上が、各プロセスで提供するコンテンツですが、いずれもユーザーに押し付けたり売り込んだりするものではなく、
・ユーザーが、そのプロセスにおいて情報収集や意思決定をするために役立つもの
・ユーザーが自分自身で判断をするための参考になるもの
であることが重要です。
ユーザーに「ああ、今ちょうど、こんな情報が欲しかったんだよな」と思ってもらうことが理想だと心得ましょう。
コンテンツマーケティングとコンテンツSEOの違い
コンテンツマーケティングの話をしていると、よく聞かれるのが
「コンテンツマーケティングとコンテンツSEOは同じものですか」
という質問です。
結論から言えば、
「コンテンツSEOは、コンテンツマーケティングの一部であり、コンテンツマーケティングの方がもっと広い概念」
ということになります。
前述のとおり、Googleは
「ユーザーにとって有益でオリジナリティの高いコンテンツを、検索結果の上位に表示しやすくする」
という方向性を明確にしています。
そのため、適切なコンテンツを作ってSEO対策をする、という方法論は正しいものであり、実際にコンテンツマーケティングも採用している考え方です。
しかし、コンテンツマーケティングは、検索エンジンの上位に表示されることだけを目指しているわけではありません。
ここまで説明してきたとおり、ユーザーの購買プロセスの各シーンにおいて、ユーザーが求める最適なコンテンツを提供して、ユーザーに好かれながら、ユーザーを自社の商品・サービスに導く総合的な手法です。
コンテンツSEOは、コンテンツマーケティングに必須ではありますが、コンテンツマーケティングの入り口である、と考えることが適切でしょう。
まずはビジネスブログから始めよう
ここまで読まれて、コンテンツマーケティングの全体像がご理解いただけましたでしょうか?
まずは
「何となく分かった気がする」
といったレベルで充分です。
もしかすると、
「思ったより難しそうだな・・・うちの会社でできるかな」
と考えている方もいらっしゃるかも知れません。
そのような方は、悩むよりもまず、ブログを始めてください。
認知プロセスで説明した「ビジネスブログ」です。
そう、ただブログを始めるだけでよいのです。これなら簡単ですよね。
ただし、「ユーザーのどんな悩みを解決する記事なのか」を検討したうで、きちんと検索キーワードを意識することが必要です。
ユーザーに満足してもらうためには、ある程度の文字数も必要となります。
理想は1,500~2,000字前後ですが、難しい場合は、まずは600字を目標としてください。
最後に、ビジネスブログにおいては、「量」(発信回数)と「質」、どちらが重要かと言えば、それは「質」になります。
ですが、ある程度の量を書けば、質がついてくる面もありますので、ぜひ、がんばってトライしていただきたいと思います。
あなたのコンテンツマーケティングが成功することを願っています。
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