ビジネスとマーケティングの上り坂
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「うちの会社の強み? そんなのあったら、苦労しませんよ」と言う前に ~マーケティングのUSPを抽出する方法~
こんにちは。西です。
Webに限らず、マーケティング全般において
「お客様に商品を買ってもらうためには、他社にはない、独自の強みが必要だ」
とよく言われます。
私も、コンサルティングや研修の場で同じことを言うのですが、
そうすると、少なくない数の方(中小企業の経営者さん)が
「うちの会社の強み? そんなものあったら、苦労しませんよ」
と、おっしゃいます(大抵の場合、自虐気味に)。
しかし、そんなことはありません。
本当に「独自の強み」がない商品・サービスであれば、まったく売れないはずですし、とっくに会社は倒産しているはずです。
■
さて、「独自の強み」のことを、マーケティング用語で
「USP(ユニーク・セリング・プロポジション」
と言いますが、
少なくとも、これまで1つでも売れたことがあるのならば、
あなた(の会社)の商品・サービスにも必ず、マーケティング上のUSPはあるはずです。
■
そこで、今回の記事では、
1.なぜ、USPが必要なのか(改めて確認)
2.USPを3つに分解して抽出する方法
3.USPを抽出する際に、注意するポイント
について、お話します。
1.なぜ、マーケティング上のUSPが必要なのか(改めて確認)
突然ですが、
「商売には、信用が必要」
ということは、あなたも重々承知していると思います。
しかし、それだけでは、あなたの商品・サービスは売れません。
「顧客に信用してもらう」「顧客と信頼関係を築く」
ことは当然として、次に
顧客に期待してもらわなければなりません。
そのためには、顧客に対して、
「あなたから、商品やサービスを買わなければならない理由」
を、しっかり伝えることが必要です。
「あなたから買わなければならない理由」
とは、顧客視点の表現であり、これを、あなたの視点に変換すると、
「他社にはない、あなただけの独自の強み」
となります。つまり、USPです。
繰り返しますが、
「信用」「信頼」は当然必要ですが、それだけではなく、顧客は
「あなたから、商品やサービスを買わなければならない理由」
を欲しています。
なぜかと言えば、それは、現在の社会動向と関係があるのです。
現在、アベノミクスにより景気回復状況と言われますが、消費者のマインドは冷え切ったままです。
求人倍率も高く、先進国の中では飛び抜けて就業率の高い日本。
しかし、消費者は知っています。今は良くても、いったん業績が悪化すると、企業はすぐにリストラをすることを。
また、老後になっても、年金がきちんと払われるかどうかも分かりません。
そのような状況の中、消費者の深層心理は
「1円たりとも無駄なお金は使いたくない」
という感情に覆われています。
そのため、何か商品・サービスが必要になった場合でも、
「この商品は、本当に私が買うべき商品なのか、買って損をしないのか」
ということを深く考えます。
そこで、
「あなたがこの商品を買わなければならない理由は ~~だからです」
と根拠を提示してあげなければなりません。
その根拠がUSPになるわけです。
2.マーケティング上のUSPを3つに分解して抽出する方法
とはいえ、
「マーケティングのUSPが必要なのは分かったけど、どうやってUSPを見つければよいのか分からない」
というのが本音ではないでしょうか。
そこで、私がお伝えしているのは
USPを「技術・ノウハウ」、「実績・経験」、「想い」の3つに分解して考える
ということです。
実は、この3つのポイント、以下のように時系列で考えることもできます。
「技術・ノウハウ」⇒「現在(保持しているもの)」
「実績・経験」⇒「過去(に獲得したもの)」
「想い」⇒「未来(につながるもの。心のガソリン)」
いかがでしょうか? 単に「USPは何?」と聞かれるより、ずっと洗い出しやすくなったと思います。
これらは1つ1つ単独でもUSPになり得ますが、それぞれの要素を箇条書きで(できるだけたくさん)洗い出し、
そのうえで、「現在の技術」「過去の実績」「将来への想い」をそれぞれ文章化することをお勧めします。
そうすると、その完成した文章は、そのまま
「当社が選ばれる3つの理由」
になります。
ぜひ、Webサイトの一番目立つところからリンクを貼り、「3つの理由」を記載してください。
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さらに、この3つが完成していれば、あなたの「魅力的なプロフィール」を作ることもできます。
と言うのも、
「過去に●●な経験がある」⇒「その結果、現在、■■の儀中がある」⇒「現在・過去を踏まえて、将来に対して▲▲の想いを持っている」
というように、USPを物語化したプロフィールが作れるからです。
人は誰でも、物語が大好きですし、物語にすれば多少複雑なことでもスッキリ理解してもらえます。あなたに共感してくれるようにもなるでしょう。
このように、3つに分解して考えることは、非常にUSPを抽出しやすいうえに、顧客にも共感してもらいやすくなるのです。
ぜひ、あなたも、「技術」「実績」「想い」の3つに分解してUSPを考えてみてください。
3.マーケティングのUSPを抽出する際に、注意するポイント
ここではUSPを抽出する際のポイントを4点、お伝えします。
まずは「想い」を描く
たとえば、「まったく経験がない分野で起業する」など、技術や実績に乏しい場合などは、まず「想い」から考えましょう。
他に優れたところがないのなら、「想いだけは誰にも負けない」という気持ちで洗い出してください。
その後、過去の「実績・経験」を洗い出しましょう。これからやろうとすることと関係のない分野でも、何か役に立つ「実績・経験」があるはずです。そこを考えてみましょう。
定量的なデータを入れる
できるだけ数字で表現することにより、客観性や信頼性が増して説得力があがります。
業界の「常識」は、世間の「非常識」
あなたが当たり前と思っていることでも、実は顧客にとって「全く知らなかった」ということは多いものです。
たとえば、アメリカのチョコレート会社M&Mは、「お口で溶けて、手で溶けない」というCMで大ヒットしましたが、実は、他社のチョレートも、手の上では溶けないように作られていたそうです。
嘘は書かない
多少の脚色は構いませんが、嘘はNGです。嘘は必ずバレますし、そうなると信用を取り戻すのは至難となります。
マーケティングのUSPの抽出について まとめ
いかがでしたか。
USPを「技術・ノウハウ」「実績・経験」「想い」の3つに分解して考えることの意義を理解して頂けたと思います。
実は、この3つを洗い出すための「魔法の9つの質問」というものもあります。
「魔法の9つの質問」は、私がこれまでコンサルティングの場で、経営者からUSPを聞き出す際に、試行錯誤しながら考えたものです。
つまり、あなたも「魔法の9つの質問」を自問自答するだけで、ご自身の「技術」「実績」「想い」を洗い出しやすくなります。
「魔法の9つの質問」は、本Webサイトの以下の記事にありますので、興味のある方は、ぜひチェックしてください。
関連記事:すべてのWebマーケティングの中核となる「Webサイト構築」
注)記事の一番下の方にあります。
また、3つのUSPを抽出した事例を、以下の拙著に記載しています。具体的なUSP事例を読んでみたい方は、拙著を読んで頂けると嬉しいです。
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