ビジネスとマーケティングの上り坂

ブログ形式でビジネスやWebマーケティングに関するノウハウや最新情報などをお届けします。

こんにちは。西です。

 

Webに限らず、マーケティング全般において

 

「お客様に商品を買ってもらうためには、他社にはない、独自の強みが必要だ」

 

とよく言われます。

 

私も、コンサルティングや研修の場で同じことを言うのですが、

 

そうすると、少なくない数の方(中小企業の経営者さん)が

 

「うちの会社の強み? そんなものあったら、苦労しませんよ」

 

と、おっしゃいます(大抵の場合、自虐気味に)。

 

しかし、そんなことはありません。

 

本当に「独自の強み」がない商品・サービスであれば、まったく売れないはずですし、とっくに会社は倒産しているはずです。

 

 

さて、「独自の強み」のことを、マーケティング用語で

 

「USP(ユニーク・セリング・プロポジション」

 

と言いますが、

 

少なくとも、これまで1つでも売れたことがあるのならば、

 

あなた(の会社)の商品・サービスにも必ず、マーケティング上のUSPはあるはずです。

 

 

 

そこで、今回の記事では、

 

1.なぜ、USPが必要なのか(改めて確認)

 

2.USPを3つに分解して抽出する方法

 

3.USPを抽出する際に、注意するポイント

 

について、お話します。

 

 

 

1.なぜ、マーケティング上のUSPが必要なのか(改めて確認)

 

突然ですが、

 

「商売には、信用が必要」

 

ということは、あなたも重々承知していると思います。

 

しかし、それだけでは、あなたの商品・サービスは売れません。

 

「顧客に信用してもらう」「顧客と信頼関係を築く」

 

ことは当然として、次に

 

顧客に期待してもらわなければなりません。

 

そのためには、顧客に対して、

 

「あなたから、商品やサービスを買わなければならない理由」

 

を、しっかり伝えることが必要です。

 

「あなたから買わなければならない理由」

 

とは、顧客視点の表現であり、これを、あなたの視点に変換すると、

 

「他社にはない、あなただけの独自の強み」

 

となります。つまり、USPです。

 

繰り返しますが、

 

「信用」「信頼」は当然必要ですが、それだけではなく、顧客は

 

「あなたから、商品やサービスを買わなければならない理由」

 

を欲しています。

 

なぜかと言えば、それは、現在の社会動向と関係があるのです。

 

現在、アベノミクスにより景気回復状況と言われますが、消費者のマインドは冷え切ったままです。

 

求人倍率も高く、先進国の中では飛び抜けて就業率の高い日本。

 

しかし、消費者は知っています。今は良くても、いったん業績が悪化すると、企業はすぐにリストラをすることを。

 

また、老後になっても、年金がきちんと払われるかどうかも分かりません。

 

そのような状況の中、消費者の深層心理は

 

「1円たりとも無駄なお金は使いたくない」

 

という感情に覆われています。

 

そのため、何か商品・サービスが必要になった場合でも、

 

「この商品は、本当に私が買うべき商品なのか、買って損をしないのか」

 

ということを深く考えます。

 

そこで、

 

「あなたがこの商品を買わなければならない理由は ~~だからです」

 

と根拠を提示してあげなければなりません。

 

その根拠がUSPになるわけです。

 

 

 

2.マーケティング上のUSPを3つに分解して抽出する方法

 

とはいえ、

 

「マーケティングのUSPが必要なのは分かったけど、どうやってUSPを見つければよいのか分からない」

 

というのが本音ではないでしょうか。

 

そこで、私がお伝えしているのは

 

USPを「技術・ノウハウ」、「実績・経験」、「想い」の3つに分解して考える

 

ということです。

 

USPを3つに分解する
USPを3つに分解する

 

 

実は、この3つのポイント、以下のように時系列で考えることもできます。

 

「技術・ノウハウ」⇒「現在(保持しているもの)」

 

「実績・経験」⇒「過去(に獲得したもの)」

 

「想い」⇒「未来(につながるもの。心のガソリン)」

 

 

いかがでしょうか? 単に「USPは何?」と聞かれるより、ずっと洗い出しやすくなったと思います。

 

これらは1つ1つ単独でもUSPになり得ますが、それぞれの要素を箇条書きで(できるだけたくさん)洗い出し、

 

そのうえで、「現在の技術」「過去の実績」「将来への想い」をそれぞれ文章化することをお勧めします。

 

そうすると、その完成した文章は、そのまま

 

「当社が選ばれる3つの理由」

 

になります。

 

ぜひ、Webサイトの一番目立つところからリンクを貼り、「3つの理由」を記載してください。

 

 

さらに、この3つが完成していれば、あなたの「魅力的なプロフィール」を作ることもできます。

 

と言うのも、

 

「過去に●●な経験がある」⇒「その結果、現在、■■の儀中がある」⇒「現在・過去を踏まえて、将来に対して▲▲の想いを持っている」

 

というように、USPを物語化したプロフィールが作れるからです。

 

人は誰でも、物語が大好きですし、物語にすれば多少複雑なことでもスッキリ理解してもらえます。あなたに共感してくれるようにもなるでしょう。

 

このように、3つに分解して考えることは、非常にUSPを抽出しやすいうえに、顧客にも共感してもらいやすくなるのです。

 

ぜひ、あなたも、「技術」「実績」「想い」の3つに分解してUSPを考えてみてください。

 

 

 

3.マーケティングのUSPを抽出する際に、注意するポイント

 

ここではUSPを抽出する際のポイントを4点、お伝えします。

 

 

まずは「想い」を描く

 

たとえば、「まったく経験がない分野で起業する」など、技術や実績に乏しい場合などは、まず「想い」から考えましょう。

 

他に優れたところがないのなら、「想いだけは誰にも負けない」という気持ちで洗い出してください。

 

その後、過去の「実績・経験」を洗い出しましょう。これからやろうとすることと関係のない分野でも、何か役に立つ「実績・経験」があるはずです。そこを考えてみましょう。

 

 

定量的なデータを入れる

 

できるだけ数字で表現することにより、客観性や信頼性が増して説得力があがります。

 

 

業界の「常識」は、世間の「非常識」

 

あなたが当たり前と思っていることでも、実は顧客にとって「全く知らなかった」ということは多いものです。

 

たとえば、アメリカのチョコレート会社M&Mは、「お口で溶けて、手で溶けない」というCMで大ヒットしましたが、実は、他社のチョレートも、手の上では溶けないように作られていたそうです。

 

 

嘘は書かない

 

多少の脚色は構いませんが、嘘はNGです。嘘は必ずバレますし、そうなると信用を取り戻すのは至難となります。

 

 

 

マーケティングのUSPの抽出について まとめ

 

いかがでしたか。

 

USPを「技術・ノウハウ」「実績・経験」「想い」の3つに分解して考えることの意義を理解して頂けたと思います。

 

実は、この3つを洗い出すための「魔法の9つの質問」というものもあります。

 

「魔法の9つの質問」は、私がこれまでコンサルティングの場で、経営者からUSPを聞き出す際に、試行錯誤しながら考えたものです。

 

つまり、あなたも「魔法の9つの質問」を自問自答するだけで、ご自身の「技術」「実績」「想い」を洗い出しやすくなります。

 

「魔法の9つの質問」は、本Webサイトの以下の記事にありますので、興味のある方は、ぜひチェックしてください。

 

関連記事:すべてのWebマーケティングの中核となる「Webサイト構築」

 

注)記事の一番下の方にあります。

 

 

また、3つのUSPを抽出した事例を、以下の拙著に記載しています。具体的なUSP事例を読んでみたい方は、拙著を読んで頂けると嬉しいです。