ビジネスとマーケティングの上り坂
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こんにちは、西です。
先日、ある書籍について、twitterで言及されている方がいました。
少し気になったので、その書籍をアマゾンでチェックしたところ、Kindleの読み放題サービス(Kindle Unlimited)の対象でした。
Kindle Unlimitedに登録している私は、さっそくダウンロードして読んでみたのですが、それが以下の書籍です。
「ここらで広告コピーの本当の話をします。」(小霜和也・著)
著者は、博報堂出身で現在は独立しているクリエイティブディレクターの方。
読者は若手コピーライターまたはコピーライター志望者を想定いるそうで、彼らに対して
コピーの役割、コピーライターの存在価値を正しく理解してくれるように書いた本
という位置づけだそうです。
内容は
マーケティングから広告コピーの概要、広告コピーの書き方のポイントまでを、分かりやすく説明している
コピーライターの姿勢はどうあるべきかを、後進に熱く語っている
というように、解説(前者)とメッセージ(後者)、大きく2つのブロックから構成されていました。
前者の解説は、さすが実績豊富な広告マンの著者が書かれただけあって、とかく教科書的な内容になりがちなところを、著者自身の経験と、わかりやすい例えで説明しており、私としても
「なるほど、こんな説明の仕方もあるんだな」
と肚落ちするものでした。
また、後者のメッセージは、仮に若手コピーライターや志望者でなくとも、「一流の人の仕事の取り組み方」として参考になる部分が多々あると思います。
以上、大きく2つのブロックから構成される書籍ですが、この記事では、主に前者の部分から、私が気になった部分に触れていきたいと思います。
コピーライターとは何をする人?、広告コピーの役割は?
<コピーライターとは>
商品をいじらずに、言葉を使って商品の価値を上げる人
企業や商品の「価値が上がるように伝える」のが仕事
<広告の役割>
モノとヒトとの新しい関係を創ること
<広告コピーによる広告のクリエイティブについて>
言葉を使ってモノとヒトとの新しい関係を創り、商品や企業の価値を上げること
以上が、著者によるそれぞれの定義です。
「モノとヒトの新しい関係」という表現が新鮮だと、私は感じました。
「モノとヒトとの新しい関係を創り、商品や企業の価値を挙げる」ことについて、具体的な事例を引用します。
たとえばみなさんが今、読んでいるこの本。この本の読者はまず若手コピーライターまたはコピーライター志望者を想定していますが、彼らが自分にとって役に立つと気づかなければ、あるいは、どのように役に立つのかが分からなければ、この本の価値はまだゼロのままに過ぎません。もしWEBサイトや書店のポスター、POPなどでこの本の広告を見た彼らが「なるほど自分にとって役立ちそうだな」と感じたら、その広告コピーは本来の正しい機能を果たしたことになります。若手コピーライターとこの本の関係性をそこで創り、価値を高めてくれたわけです。
上記は一例ですが、全編に渡り、具体例が分かりやすいので、堅苦しさや退屈さを感じることはありません。興味深く読み進めていくことができました。
タグラインとキャッチフレーズ
「タグライン」という言葉を始めて聞く方もいらっしゃるのではないでしょうか。
タグラインについて、著者は次のように説明しています。
広告コピーとは、価値が最大化されるように商品を「定義づけ」するもの
<中略>
この「定義づけ」に特化したコピーを「タグライン」と呼びます。
「タグライン」は、よく商品ロゴの上に置かれていたりするコピーです。これは広告の一番目立つ場所に置かれる「キャッチフレーズ」より遥かに重要なものです。
タグラインの例で言うと、スターバックスの「サードプレイス」が有名ですね。書籍には、ソフトバンクの「つながりやすさNO.1」がタグラインの例として紹介されていました。
タグラインに対し、キャッチフレーズについては、著者は以下のように言及しています。
キャッチフレーズは文字通りターゲットの関心を「つかむ」役割を担いますが、ポスターであればビジュアルで、CMであれば映像や音でも「つかむ」ことはできます。
広告コピーと言えばキャッチコピーのこと、と思っている人も多いようですが、それは誤解です。確かにキャッチフレーズは広告のもっとも目立つ場所に君臨する、広告の華と言えましょう。
<中略>
しかし、キャッチフレーズはどんどん消費されてしまいます。つかむためには鮮度が大事だからです。
商品がある限り基本的には不変のタグライン、そして、どんどん消費されてしまうキャッチフレーズ。
それぞれ役割としては補完関係にあると思います。
著者も、広告コピーの役割である「モノとヒトとの新しい関係創り」「商品や企業の価値を上げること」について、タグラインとキャッチコピーの合わせ技で達成されていればいい、と考えています。
まとめ
この書籍は、広告コピーの本とされていますが、実際にはマーケティング全般について分かりやすく説明されています。
どの説明も著者独自の、かみ砕かれた言葉で、頭にスンナリ入っていく感じが心地よくあります。
他に定義づけの説明がされた用語には、以下のようなものがあります。
ブランドとは、「気持ちのよい記憶」である
テレビCMの役割は「商品の疑似体験」をさせること
それぞれ、具体的な説明を読んでいくと、本当に「ポンと膝を打ちたくなる」ような、納得できるものばかりなのですが、
引用が多くなるとネタバレが過ぎてしまうので、興味のある方は、ぜひ書籍をご一読いただければと思います。
「ここらで広告コピーの本当の話をします。」(小霜和也・著)
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